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遺伝とは疾患も伝えるものなのか
遺伝性疾患と聞くと、ある疾患を持った親から生まれた子どもが同じ疾患を持つ、と考える人も多いのではないでしょうか。しかし、疾患そのものが遺伝するわけではありません。
免疫力や体質という遺伝的な要因によって、疾患にかかるかどうか、かかったとして重症化するかどうかが変わってきます。そのため、親が疾患を持っているから自分もいつか同じ疾患を発症するのではないか、自分が疾患を持っているから健康な子どもが生まれないのではないか、と考える必要はありません。
例えば、同じウィルス性の風邪を引いたとしても、重症化して何日も寝込む人と、1日調子が出なかった程度で済む人、症状の重さに違いが出る場合があります。これはその人個人が持つ体質の違いから起こるもので、その違いこそが遺伝的な要因によって一人ひとり異なるのです。
遺伝性疾患とは、そうした遺伝的な要因に何らかの異常や突然変異が現れることによって、起こるものを指します。このことから、1つの疾患が同じ家族内で引き継がれていくものではないとわかります。遺伝性疾患は、誰にでも起こり得ることを覚えておくといいでしょう。
親に疾患があるないかで、健康な子どもが生まれるかどうか判断はできないものです。健康な両親から生まれ、ある程度の年齢に達してから何らかの疾患を発症する場合や、その逆の可能性も十分にあります。珍しい疾患であっても、決して特別なものではないという認識が必要になってくるでしょう。